2010年12月5日日曜日

私の車歴3



そんなこんなで、パンダで遊んでいる15年の間に約9年間、2台体制の時期がありました。

2ドアのパンダで左側の運転席がバケットシートでしたので、必然的に家族の乗り降りは道路側になってしまい危険なこともあったので、もう少し使い勝手のいい4ドアを、、、という事で選んだのがフォルクスワーゲン ゴルフではなく(笑)、 '91ランチャ デルタ HF インテグラーレ16V(写真は所有車ではありません)。 奇しくも3台目のジウジアーロ!でした。


そもそもデルタは1979年にランチャが世に放ったファミリーカーで、ボディー長 4メートル足らずの FF 5ドアハッチバック。 1.3L SOHC から1.6L DOHC のガソリンエンジンと1.9Lのターボディーゼルエンジンを搭載した"素"のデルタはさぞかし使い勝手がよかっただろうと想像できます。
しかし WRC のホモロゲーションモデルとして市販された S4 ストラダーレに始まる 4WD モデルの3代目にあたる HF インテグラーレ16V は 2.0L DOHC ターボエンジン (200HP) を積む、当時としては究極のハッチバック。 ボディーディメンジョンはノーマルのデルタに取って付けたようなブリスターフェンダーとフロントスポイラー、大きなエンジンを収納するために盛り上がったボンネット程度モディファイで 5ナンバーサイズに収まるコンパクトなもの。 問題はエンジン(笑)。 このエンジンは後にアルファロメオ 155Q4 やクーペフィアットに搭載されたものと基本的に同じエンジンで、典型的などっかんターボ。 加給がかかった時の加速感は今思い出しても痛快そのものでした。 しかし裏を返せば、低速トルクが全くないということでもあり、これがファミリーカーとしては少々使いにくい要因でした。


パンダと比べるとモディファイにかかる費用が高額なこともあり、あまりお金をかけずに約3年程度乗りました。 もう少し乗っていたかったのですが、チューンド・パンダとHF インテグラーレ、デザインが似ているだけでなく、車としての方向性が同じで、どちらに乗っても心が休まらないというか、いつも緊張感を強いられる車2台に乗っていたことに気づきました。


デルタを処分した後、しばらくネットで中古車を物色していたところ、ちょと変わった車に心惹かれました。


フィアット124ファミリアーレ(ワゴン)
1966年にデビューした Tipo124 はフィアットの歴史上初めて開発コードがそのまま車名に用いられた初のモデルです。 当初、1197cc の OHV エンジンが搭載された後輪駆動の Tipo124 は4ドアセダンとステーション・ワゴンの2つのボディバリエーションが用意され、フィアットでは初めてのヨーロピアン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した車です。 


日本では 124スパイダーはよく知られていますがワゴンは相当珍しい存在です。
東大阪にあるフォルクスワーゲンを得意とするショップから購入したのですが、当初は国内未登録で、バンパー形状などから「アメリカ仕様」のようでした。 ショップでもカリフォルニアから輸入したものだとのことで、この年式のイタリア車には珍しくサイドシルなどにほとんど錆がないということが購入の決め手でした。


車体番号からは 1972 年製と考えられましたが、当時搭載されていたはずの 1438cc OHV でなく DOHC エンジンが搭載されていました。 おそらくアメリカでエンジンを換装されたのでしょう。 
エンジンはフィアットのツインカム(この表現、最近は使いませんね、笑)、シャシーは 124スパイダーと共通ということで、部品供給もなんとかなるだろうと、30年以上も前の車を買うわりには気楽な気分でした。


購入直後から2速ギアが抜け気味だったり、プロペラシャフトのカップリングジョイントが高速道路を走行中に粉々に砕け散ったり、アクセルワイヤーがこれも高速道路を走行中に突然切れたりと、いろんなトラブルに遭いましたが、それまでにシロッコやパンダで経験したことが役立って(?)、さほど慌てることもなく対処できたことは今となってはいい思い出です(笑)。


全長がちょうど 4m の非常にコンパクトなワゴンボディーは日本の道路事情にはぴったりで、足回りも旋回時にはかなりロールしますが、そこからの踏ん張りが効くという古き良きイタリアンテイストを感じられるものでした。 よくよく考えるとアバルトがスパイダーをベースに 124 RALLY を WRC に投入していたぐらいですから、基本的なシャシー性能は優秀だったのでしょう。


非常に使い勝手がよかったので、6年間を共に過ごしました。 ただ、お買い物などで近所をちょこちょこ動きまわるには良いのですが、遠出には不向きなことは否めません。 壊れるかも?という不安より、高速走行時のエンジン音、その他のノイズに長時間耐えるのが苦痛に感じられるからです。 おかげで家族で遠出するということがめっきり減ってしまいました(泣)。


そんなこんなでパンダと同時に個性的な2台のイタリア車にも乗るという贅沢をしてきましたが、パンダの15年目の車検の時に転機が訪れました。 某ディラーに、いつものように車を預けて帰るつもりが、サービスの方に「ちょっと乗ってみない?」と勧められたのが、ルーテシアRS!


ヤラれちゃいました(笑)。 NA の気持よく吹け上がるエンジンと秀逸なハンドリング、ブレンボの強烈なストッピングパワー、回転が上がった時の心地良いエキゾーストノート! それに加えて、なんという座り心地の良いシート!! どことなく今時でない感じ!!!


こんなストリート・レーサーのような車をメーカーが売ってるっていうのが1つの驚きでしたが、そんな車が300万円前後で買えるなんて!


パンダの車検を通すか、新車に買い換えるか....?


散々悩みましたが、ルーテシアRSにして正解でした。 Bセグと言うにはやや大きすぎる車体ですが、2LのNAエンジンとハンドリングが高次元で調律されており、理想的なバランスを生み出しています。  また、高速域のスタビリティはもはやBセグの範疇を超えていると言っても過言ではないでしょう。(ちょっと誉めすぎ?笑) 家族はエアコンが付いているというだけで満足!?。


ストリート・レーサーで且つ高速ツアラーというちょっと他には無い「実用車」。  しばらく楽しめそうです(^^)。

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